所在地 中京区 |
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選定番号 第10-025号 |
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推薦理由(抜粋) 昭和初年に居宅兼写真館として建てられた木造3階建ての洋館。3階スタジオの北側は採光のために大きなガラス窓となっている。昭和初期の写真館の建物として貴重な存在である。 認定番号
第215号 認定理由 小林祐史(1900〜1989)は、東京美術学校写真科を卒業し、昭和初期に活躍した写真家である。フォトモンタージュやフォトグラムの手法を用いたモダニズム写真で評価された。写真館は、明治33年(1900)に祐史の叔父・小林定介によって創業された岐陽館に始まる。店名は、徳山(現山口県周南市)出身の定介が出身地の岐山から命名したもの。東京で写真を学んだ祐史が大正の終わりに京都に戻り、写真館を受け継いだ。大正15年(1926)には「京都写友会」を結成し、写真館営業の傍ら、京都を拠点にした写真家として活動した。 建物は明治42年(1909)に建てられ、その後改修を加えられながら継承されてきたと考えられる。写真館の広告として掲載された昭和4年(1929)の写真では、古典主義的な要素の強い外観が確認されるが、昭和20年代の改修により現在のようなモダニズム風のファサードとなった。内部には、各所に明治末期に遡ると思われる古い部材が確認される。木造3階建ての建物が妻入りに配置され、瓦葺・鉄板葺による屋根が掛けられている。1・2階は北側を店舗・作業空間とし、南側から奥へのスペースには和室を配した住宅空間としている。3階はスタジオとし、北側に天井面から始まる大きな窓を設ける。これは北側採光が一日を通して光量が安定しており、撮影のための空間として適していることによる。現在営業は終えているが、スタジオを始めとする写真館の空間が維持されている。 小林祐史写場は、明治末期に遡る職住一体の写真館建築である。昭和初期に整備されたスタジオ空間が残されており、全国的にも少ない写真館の現存事例の一つとして極めて重要である。また、京都で活躍した写真家・小林祐史を顕彰する場としても評価される。 |
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