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上田恒次家(うえだつねじけ)[Ueda Tsunezike]

所在地
 左京区
 
選定番号
 第8−009号
  


推薦理由(抜粋)
 陶芸家の上田恒次が設計した自邸。昭和12年(1937)に陶房を建て,昭和17年(1942)ごろ住居部分を増築。豪壮な意匠は丹波地方の民家を参考にしたと伝わる。登り窯は主屋と同時期に築かれ,現在も残っている。民藝運動の場となった陶芸家の製作と生活の空間が今に伝わる稀有な空間である。


認定番号
第108号

認定理由
 陶芸家・上田恒次(1914〜1988)が,自らの設計で建てた自邸である。主屋として,昭和12年に陶房として西側の棟を建て,昭和17年頃に居住空間として東側の棟が増築された。設計に際しては,丹波地方を旅行して同地の民家意匠を参考にしたと伝えられ,豪壮な民家の意匠が用いられている。上田は河井寛次郎に弟子入りすることを欲しなかなか許されなかったが,自邸の建築案を相談した際に弟子入りを許されたという。西側棟の外観木部にはベンガラが塗られ,和室には囲炉裏を切り作品を飾るための押板風の棚をつくるなど,独特の意匠を有する。一方,東側棟は戦時中の物資不足のため外観が墨で黒く仕上げられている。主屋の建築と同時期に築かれた登り窯の他,戦後,轆轤場を備えた長屋門や納屋が増築され,現在の屋敷構えがつくられた。民藝運動の場となった陶芸家の製作,生活の場が今に伝えられている空間として重要である。




 国登録有形文化財(建造物)


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