所在地 右京区 |
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選定番号 第10−034号 |
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推薦理由(抜粋) 230年以上の歴史をもつと伝わる古民家。囲炉裏やおくどさんも残り,来客のたびに利用している。美しい里山の景色の中で,この茅葺屋根を後世に残したい。 認定番号 第209号 認定理由 井上・曽家は右京区京北町の山国地区に位置する茅葺屋根の民家で、同地区の河原林家(京都を彩る建物や庭園・認定)の分家の住宅として建てられた。同家は幕末期には絞油業を、明治以降は京都府会議員、実業家を出した家で、昭和15年(1940)には敷地内に徳育・智育・体育の三位一体の全寮教育を目指した「報徳学寮」を設立している。 主屋は、街道東側のやや奥まった敷地に建つ、平屋建、入母屋造の茅葺屋根の建物である。安永7年(1778)に記された普請文書が残り、その後の明治初期の離れ座敷(現存せず)増築時の絵図などには、現在の平面に近い主屋が確認される。柱や梁など主な部材の状況からも、後世の改修を経てはいるものの、18世紀に遡る建物であると判断される。南北方向に棟が配置され、南側に配された土間には妻入に入る形式だが、西側面に式台が設けられ、正式な玄関となる。主屋に接続する門(「ロジモン」)から、西側に庭が配された庭へと入る。庭側に座敷、次の間、玄関間(式台)、背面となる東側に囲炉裏を備えた約21畳大の板間、旧納戸が配される。小屋組はオダチ・トリイ形式を用いており、古式を伝えている。土間の一部を居室化するなど生活空間として手を加えた他は、北山型民家の空間構成を良く残している。また、庭の北西隅には土蔵が残る。上棟時に納められた木槌の銘から、天保6年(1835)の建築と判明する。 井上・曽家は、京北町に残る茅葺民家である。文書資料が残り、近世に遡る建物であることが確認できる点で重要である。現在でも茅葺屋根を維持し、周辺景観において重要な役割を果たしている点でも、高く評価される。 |
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