所在地 東山区 |
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選定番号 第8-045号 |
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推薦理由(抜粋) 五条坂の近くに建つ住宅で,昭和初期に建てられた。熊倉工務店の社屋として使われたこともある。近年改修され,宿泊施設として活用される予定で 認定番号
第175号 認定理由 旧熊倉家は東山区の馬町地区に位置する,熊倉工務店の本社屋兼居宅として建築された建物である。熊倉工務店は明治期に創業し,昭和初期には京都を中心に和洋の住宅建築を多数施工した。創業後の二代目にあたる熊倉吉太良(くまくらきちたろう)は,大工から出発し京都帝国大学の校舎の請負仕事等を通じて洋風建築の設計施工を学んだ。熊倉は,武田五一や永瀬狂三らの京都帝国大学の建築学科教員や営繕技師と交流を有し,殊に藤井厚二からは強く薫陶を受けた。 建物は木造3階建で,熊倉工務店の設計施工により昭和4年(1929)に建築された。昭和8年には火災で一部損傷し,直後に改修されている。当初は格子を嵌める町家風の外観であったが,改修時に現在の意匠に変更された。表屋造町家の構成を有し,表側棟の1階に事務室,食事室,2階には応接室,和室を配する。奥の棟には仏間や居間など4室の和室を有する。2階応接室は,昭和8年の改修によるもので,建築家・藤井厚二の影響を受けた意匠を採用している。同建物は,現在,宿泊施設として活用されている。 旧熊倉家は,間口が狭く奥行の深い敷地の制約から,表屋造町家の構成を踏襲しつつ,近代の住宅思潮を取り入れた事務所併用の住宅建築である。また熊倉吉太良が強い影響を受けた藤井厚二の意匠が用いられている。町家の形式が近代において変化していった一つの流れを示す建物として重要である。 |
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